逆転
合気柔術の師匠から「あなたはもっと折り紙で鍛錬をしてみなさい。」と言われた。
日本の伝統ある折り紙の「おり」には、どうやらものすごく深い意味が凝縮されているようだ。
まずは蓮の花の形をなんどもなんどもやってみなさい。といわれた。
蓮の花の折り紙は、女子としては定番で子供のころみんなで集まった誕生会などで、この花をたくさん作って、壁や窓などに装飾したものだったので、わたしは得意げに「それは小さな時、何度となく折っていたからよく知っています」と答えた。
「あら、そうなの。では折ってごらんなさい。 そうあなたのそれは4枚の花びらの蓮花でしょ。ほら、外側だけではなく内側にもう一連、花びらが交互に重なり咲くように、全部で8枚の花びらを咲かせてごらんなさい。
枚数を重ねたり、付け加えたり、切ったりしないで、一枚の折り紙でつくるんですよ〜
わたしは、意外と簡単だろうと思い、すぐに取り組みました。
『花びら4枚の時は二回折り返したから〜 その倍をおりかえせば、できるでしょ!』。
しかし出来上がったものは、8枚の花びらはあるものの、師匠が作ったものとは外見的に全く違う。師匠のものは全面に色面が出ていてどこからみても一色で、形は柔らかく丸みを帯びている。わたしが作ったものは、冷たく外側の花びらが鋭角にピンと立ち、折り紙の裏面の白い部分が出ているので、まるでリアル感がない。
え。 じゃ。 どうすればいいの ?
師匠は横でじっとニコニコして見守っている。
ここからがわたしの葛藤と創意工夫の瞑想状態が始まった。
お花の底辺になる部分も紙の白い部分は出ないから、内側に折り返すときにもう一回動作を付け加えればいいの?
ヒックリ返して中心に先端を集めるときのタイミングはいつ?
花の軸となる中心に花びらが咲くように集めればいいの?
など思いながら、なんどもなんども失敗し紙をダメにした。
イライラすれば、花びらを持ち上げながらヒックリ返すとき、花びらが切れてしまうし汚い。
えっと。中も外も白い面が出ないようにして、8枚の花びらを柔らかく咲くようになるには、、、
師匠が折った完成形を崩し、折り方を探ろうと思って解体したら、一気に解体しすぎて、工程がわからなくなり、見本原型がない状態からの挑戦となり、あとは記憶力の勝負になる。
こんな簡単なものが、いったいどうしてわたしがすぐにできないのよーーーーー。むむむむ。悔しくてムキになって取り組んだ。いったいどの位の時間がかかったのかわからないくらい集中した。。
やっと完成型をものにできたときの安堵感、達成感は計り知れないほどに嬉しく、悶々としていた状態から頭が一気にス|っと晴れた。
この手順と折の法則を、忘れないうちにしっかり身につけておこうと思い、なんどが続けて折って没頭してみた。
蓮の花の裏側の底辺となる方は花びらになるように折り返しを重ねる。
底辺に三角の先端が集まるので、エネルギ|が底辺やネガティブ波動に集中するようで、なんだか嫌な感じがした。
なんとも気持ちがいいのは、
極楽浄土にはピンク、白の蓮の花の他に、黄色や青の華が咲いているそうだ。
「蓮は泥より出でて泥に染まらず」とあるように、蓮は泥の中からやがて美しい花を咲かせる。
綺麗に咲いているその華たちも、ちょっと前まで底にいて、もがき苦しみ、善悪、清浄不浄が混在しているからこそ、創意工夫をした挙句咲く。美しく天高く咲く意味をかみしめ、自ら気がついたことに感謝の気持ちを奏上しているから、光が当たって綺麗に見えるのだね。
人生まだまだ苦しくても逆転のチャンスはあるわ。
