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折り紙 その二

想像力を鍛える

 折り紙を折る動作にはある一定の法則があり、その中には深遠なる天体の運行が折り紙の中に表現されています。

 

 伊勢の斎宮に伝わる神折符には不思議なパワーや神秘的な意味が隠されています。わたしたちが普通に遊戯的に折るおりがみであっても、潜在能力を目覚めさせたり、出来上がった形をイメージしながら作ることで想像力を養ったり、気づきを与えてくれながら、脳が活性化されるのです。

 

 花、鳥、虫、カエルなど自然界にある存在の大抵のものは、曲線的な形をしています。おりがみでの作品の完成品は直線と直線が作り出す図形で成り立っていますので、『だいたいこんな感じだな〜』という曖昧さのある表象として現れます。折られた作品が何を表しているか、どの部分を表しているかを感じ取る想像力が駆使され、鍛えられていきます。

 

 大人になっていくと同時に、難しいと感じることが多くなっていくことに、単純な形からの想像力というものがあります。 折り目のついていない一枚の紙を二つに折って、また二つに折ったところで「さあこれはいったい何に見えるでしょう〜? どんなものでもいいからこれを見て思いつくものをどんどん出してください。

と質問をすると、大人からはなかなか回答が出てこないものです。じっとその形を見て深く考える。何度もその動作を繰り返しながら瞑想状態に入ったりすると、想像力はよりいっそう活性化されていきます。 最初はなかなか思いつかないものですが、連想力が次第に鍛えられ、その形から浮かび上がってくるものをたくさんあげていけるようになってきます。例えばこれはお風呂の形、はんぺん、石鹸、机、ノート、窓、キャラメル、ハンカチなど。

 

 おりがみは単純作業の繰り返しですが、想像力を駆使していくと、深く森羅万象のしくみや生成化育を司る神々の心が表現されていることまでも、無言の中、自分の内がわで察することができるようになるのです。

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